たくさんのご応募ありがとうございました。
見事入選されました7句を紹介します。
この駅は風の終点春の虹
玉庭正章
参加者からの感想
駅の建物で風がさえぎられている。終着駅みたい。そんな風景の中にある「風」や「終点」といった寒さを感じさせる言葉と春の季語との対比がすばらしいと感じた。
今は無き伝言板や猫の恋
南全星びぼ
参加者からの感想
今は携帯電話の普及が進み簡単に連絡が取れるが、昔は待ち合わせ場所を間違えてもすぐに連絡はとれずに困っていたことを懐かしむ気持ちが春の季語から温かさと一緒に感じることができた。
確実な道って何だ落葉掃く
江口朔太郎
参加者からの感想
確実な道に関して様々な立場の人がそれぞれが抱える家族の治療方針や子育て、進路などの悩みにあてはめ共感を得ていた。
近づいた距離だけ離る春の鳥
椋本望生
参加者からの感想
駅を利用している憧れの女子学生がいて、少し近づいてみるけど、その分女子も恥じらって少し移動する感じ。読み手は若い男性で、春の鳥は明るくさえずる憧れの女子学生なのではないか。
さへずりや駅の出口がわからない
中山月波
参加者からの感想
先日、東京駅で友人と待ち合わせをしていたが、それぞれ別の出口から出て、なかなか出会えなかったことを思い出した。
堺とは平たきところ春の雪
岩本実穂
参加者からの感想
「平たき」のとらえ方が2種類あるという意見があり、一つは山を切り開いて作った地域であるという「平たき」、そして二つ目は堺市民の心が平安であるというところからの「平たき」。そういった堺のまちに今日は春の雪が積もっていたりする。
梅ふふむ吹きつさらしの喫煙所
池内ときこ
参加者からの感想
夫婦で出かけた先での出来事。最近では喫煙者の肩身が狭くなり喫煙場所を探すのも一苦労。とある駅のホームで喫煙所を目指して歩いていくその先には、梅の花がふくらんでいた。